千葉大学発医療スタートアップ企業である株式会社Smart119から、「妊娠期のつわりの原因と対策」のイラストレーションが一般公開されました。
妊娠期のつわりの原因と対策
つわりは、妊娠5週間頃から発症し、15週頃に軽減していきますが、嘔吐感やだるさが長期間にわたる辛いもの。特に「妊娠悪阻」となった場合は入院が必要になることがあります。
救急集中治療医の見地から、つわりの症状と対策を親しみやすいマンガで解説しています。
こちらは学校、企業、公共機関、町内会等で自由に配布・利用が可能です。
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つわりってなんだろう
妊娠中のつわりは5人に4人に起こると言われています。しかし、症状や程度は人それぞれです。
妊娠初期の吐き気やおう吐、食欲低下などの消化器症状が起こりますが、程度は人それぞれ。
妊娠5週頃より症状が現れ、妊娠15週頃に自然に軽減していくことが多い。
どんな症状?
- 胸やけ、だるさ
- 炊き立てのご飯の匂いや味噌汁の湯気などにも敏感になり吐き気やおう吐することがある
- 唾液が増える
- 便秘
- 吐き気、嘔吐
- 食事摂取ができずに体重が落ちる など
対策:「口に合うものを少しずつ食べよう」
つわりが強い時期は、栄養不足や偏りがあっても赤ちゃんに問題ないといわれます。
- 少量ずつ好きなものを好きなときに食べる
- 空腹時に吐き気が出る場合、手軽につまんで食べられるものを準備しておく
- 水分摂取を心がける
- 匂いに敏感になることがあるため、食事を冷まして食べる、さっぱりしたものを食べる
- 体調不良時は横になる
妊婦健診などで医師・助産師に相談を
体重減少、脱水、電解質のバランスが崩れてしまう「妊娠悪阻」は全妊婦の0.5~2% に起こってしまいます。
- 強い吐き気、嘔吐
- 体重減少
- 食事が摂れない
- 意識がもうろうとする
上記の症状が強い場合、入院が必要になることもあります。体調がすぐれない場合は医師に相談しましょう。
解説者
中田孝明
株式会社Smart119 代表取締役
千葉大学大学院医学研究院 救急集中治療医学 教授
監修協力
新井久美子(救急科専門医)
矢澤まり(外科専門医)
参考資料
・『日本産婦人科学会 診療ガイドライン 2020』
(Quinla JD, Hill DA. Nausea and vomiting of pregnancy. Am Fam Physician. 2003 Jul 1;68(1):121-8. PMID: 12887118.)
・『安心すこやか 妊娠・出産ガイド』 メディカ出版
・『日本産婦人科学会 HUMAN+』